和敬塾 新南寮ブログ

2019年4月より和敬塾南寮、乾寮、巽寮の3寮が合併します。3寮の個性を融合させた新南寮での日常を発信していきます。

読書の秋リレーブログVOL7

 こんにちは。広報部2年の酒井です。皆さんは今年どのような本を読まれたでしょうか。私は考古学の専門書以外は全く本を読みませんが、今年の夏は神保町で数冊の古本を買って読んだりしていました。たまには小説を読むのも良いですね!そこで今回私がお勧めする本は森鴎外の「かのように」です。       

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 この本は大学の教授に勧められた本で、軍医であり、帝国博物館の館長も務めた森鴎外の作品です。森鴎外は学校で一度は聞いたことのある人物ですよね。最近の作品と比べて森鴎外などの小説に抵抗を感じるかもしれません。しかし実際読んでみると中々現代と共通するところも多く、読みやすかったです。

 あらすじは歴史学者である秀麿が当時常識であった皇国史観の歴史と歴史学からみた歴史との間でどちらの「事実」を求めるべきかの葛藤を描いた物語です。

 戦前の日本の歴史は神話が本当に起こった事実として教え、現実ではありえない事も歴史の一部として強制されていました。このような言論の自由が統制された世界で、主人公はどのように立ち向かったが見どころです。

 この事は現在の私達にも当てはまるかも知れません。これまでの常識が間違っているのではないかと疑い、検証してみる勇気が私達学生及び研究者には必要なのかもしれません。

 この本は青空文庫で無料で読む事できますのでぜひ読んでみて下さい!