和敬塾 新南寮ブログ

2019年4月より和敬塾南寮、乾寮、巽寮の3寮が合併します。3寮の個性を融合させた新南寮での日常を発信していきます。

読書の秋 広報部リレーブログVol.4

こんにちは。 広報部の小髙です。

 

朝夕はかなり過ごしやすい気温になってきて秋を感じます。やっと「読書の秋」というブログタイトルにふさわしくなってきました。

 

今回私が紹介するのは松村圭一郎 中川理 石井美保編 『文化人類学の思考法』です。

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 この本では現在の我々の身近にあるテーマを文化人類学という学問の観点から紐解いています。文化人類学とはある地域の文化、例えば経済や芸術や医療や政治、宗教などを中心にそれらを観察し、そこで行われるコミュニケーションや慣習などについて考察する学問です。
 
 この本の中で私の印象に残っているのは「呪術と科学」という項目です。現代の我々が行うやり取りのなかで因果関係や再現性のない科学的でない呪術的な役割をもっているものは多々あります。
 その呪術的な性質を持つコミュニケーションは科学的な性質を持つコミュニケーションに比べて劣っているわけではなく、それぞれが別の役割を持っており社会をつなぎなおし秩序を作っています。
 この項目ではそういった内容について身近に行われるやり取りを取り上げて説明しています。
 このように現在私たちの身近に行われているコミュニケーションや行動は往々にしてその表面的な意味合いだけではなくそれを行う人とその他の人との関係、その人が属するコミュニティの中での役割などの非常に複雑な関係性が見えてきます。
 
 今私たちは様々なコミュニティに属しています。例えば日常過ごしている家であったり、大学であったりバイト先であったり、はたまたSNSも属しているコミュニティであるといえます。
 そのそれぞれの中で行う行動やその理由について文化人類学的観点からより深い考察、分析をすることは、自分について多角的に分析することの助けになるのではないでしょうか。
 
気になった方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。